移住者インタビュー

Interview

Uターン40代サービス・飲食地域おこし協力隊阿南市

クラフトビールを手段として、阿南市の魅力発信をしていきたい

住友 正伯 さん

出身地:阿南市那賀川町
移住年:2021年
現住所:阿南市
職業:『とびしまビールLAB』代表、株式会社JouZo代表取締役
年代:40代

取材年月:2021年8月

2021年9月、阿南市那賀川にマイクロブルワリー(小規模醸造所)『JouZo BEER BASE』がオープンしました。阿南市の特産品を用いたクラフトビールを開発するため、クラウドファンディングで支援を募ったところ、目標額を越える多くの資金が集まり、徳島県南部エリアの新名所としても注目が集まっています。

住友さんはUターンで起業されたんですね。

そうです。大学卒業後、製薬会社に就職し、東京で暮らしていたんですが、東日本大震災の2年後、福島県に転勤になり、そこで震災復興に取り組む人たちと出会い、地域づくりに興味を持つようになったことが、起業を考えるようになったきっかけです。

その後、広島県呉市の地域おこし協力隊として活動されるようになったのは、なぜでしょうか?

サラリーマン時代に経営大学院でMBAを取得し、地域の課題解決や魅力発信に関わるソーシャルビジネスを起業したいという思いが強くなり、14年務めた会社を退職しました。民間でしか働いたことがないので、地域と関わるためには行政の視点も必要と思い、地域おこし協力隊になりました。呉を選んだ理由は、縁もゆかりもない場所で新しく挑戦したいと思ったからです。

どうしてクラフトビールを使った地域PRをしようと思ったんですか?

地域おこし協力隊の就任時の自己紹介で「クラフトビールが好きです」って言ったら、「じゃあ、それをやってみたら!」と言われて。いわれてみればクラフトビールにはその地域の特色がよく表れていて、地域の魅力発信に使えると思いました。熱狂的なビール好き(ビールギーク)には、新しい地域の特産品を使ったクラフトビールが刺さるかなと思い、大崎下島で『とびしまビール』を作ることになりました。

それがなぜ那賀川でブルワリーをオープンすることにしたんですか?

元々、大崎下島で醸造施設を造ろうと検討していたんですが、下水道の問題で造れないことがわかり、島でのブルワリー開業が頓挫してしまったんです。そこで、帰郷したタイミングに地元で使える場所がないか探していると、かつての材木加工場を紹介していただきました。そこは子供の頃に木の香りに集まるカブトムシを捕まえに来ていた思い出の場所で、「これも何かの縁」だと思い、那賀川でブルワリーを開業することに決めました。
ただ、島の方々にはとても良くしてもらっていたので、徳島に戻ることには葛藤がありました。最終的に島の皆さんが応援してくれ、決断することができました。そのことをとても感謝しています。今後も『とびしまビールLAB』の事業は継続し、大崎下島と繋がりは続けていきたいと思っています。

『JouZo BEER BASE』はどういった場所にしていきたいですか?

“会いに行けるブルワリー”をコンセプトに、地域に開かれた場所にしたいと思っています。醸造設備の前にはガラス張りで中が見えるパブスペースを用意し、出来立てのビールを楽しめるようになっています。また、醸造設備の見学の受け入れや、近隣の雑貨やパンなどを販売する場所として使ってもらえるよう、パブスペースを解放したいと思っています。
現在、阿南市はSUPやグランピングなど、新しい取り組みで盛り上がってきているので、自分もクラフトビールを通じて阿南市の魅力をPRし、『JouZo BEER BASE』もビール好き(ビールギーク)や観光客が目的地として訪れる場所にしたいです。

阿南市の特産品を用いたビールを開発されたとか。

阿南市産のすだちを使用した2種類のクラフトビール『すだちHazy IPA』『すだちWest Coast IPA』を販売しています。徳島でブルワリーを開くのであれば、最初はすだちのビールを作ろうと決めていたので、阿南市のすだち農家さんを紹介してもらい、使わせてもらうことになりました。今後も地元の特産品や飲食店とコラボした商品開発に取り組む予定です。

クラフトビールの楽しみ方の1つに、種類の多さがあると思います。日本に流通するほとんどのビールは「ピルスナー」という1つのスタイルなんですが、実はビールには100種類以上のスタイルがあり、ほとんどの方が知らないと思います。なので、様々なビールのスタイルと副材料を組み合わせることで、より多くのビールを楽しんでもらえるようにしたいと思っています。

最後に現在徳島で起業を考えられている方向けに、地方で起業するメリットを教えて下さい。

地方で起業するメリットは大きく2つあると思います。1つ目は、「小さくスタートできること」。今回の自分のように今は使っていない物件や空き家等を活用することで、固定費を下げてリスクを抑えることができます。
2つ目は、「周りが協力してくれること」。自分はIターン、Uターン両方経験したんですが、どちらでも新しいことを始めようとする人を応援、協力してくれる人が多くいました。田舎で地域との距離が近ければ近い程、一生懸命がんばる姿を見てくれている人は多くいると思うので、最初の1歩を踏み出す勇気を持つことが大切だと思います。

ありがとうございました!

■店舗情報
『JouZo BEER BASE』
住所:徳島県阿南市那賀川町手島榎瀬42
TEL:050-7115-2045
MAIL : info@jouzo.co.jp
HP:https://jouzo.co.jp/ 
オンラインストア:https://jouzobeerbase.stores.jp/ 

『とびしまビールLAB』 HP https://www.tobishimabeerlab.com/ 

■イベント情報
JouZo BEER BASE OPENING EVENT
日時:11/27(日)11:00~19:00
場所:丸井産業株式会社駐車場
(徳島県阿南市那賀川町手島榎瀬42 Jouzo BEER BASE前)
内容:キッチンカーやカフェ、雑貨など多数出店、18時から打ち上げ花火