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仕事徳島で輝く女性

“海女さん”を目指して徳島へ。地域に見守られながら、4人の子育てに奮闘中(移住者インタビュー)

2025.01.07

漁師(角地水産)
角地美聡さん

大阪府出身の角地さん。太平洋に臨む美波町で漁業に従事しながら、4人の男の子の母として育児に奮闘する毎日です。

きっかけは、とあるバラエティ番組。お笑いタレントが海に潜って魚突きをする姿を見て、幼い頃から漁師への憧れを募らせていました。やがて高校生になり、進路を決める段階になってもその夢は消えず、本格的に「海女さんになりたい」と志すように。インターネットで"海女さん"と検索してヒットしたのが、徳島県の南部に位置する漁村集落、美波町伊座利で行われた「あまちゃん養成塾(※)」でした。

※現在は「海女さん体験」として毎年8月頃に実施。

実際の海女さんの仕事を体験する、1泊2日のプログラム。当時高校3年生だった角地さんは、素潜りの想像以上の楽しさにたちまち魅了されました。

「交流会の場で『私ここに来たいんです』と話したら、地元の方に『来ぃや!』と言われたんです。あまりに軽いノリだったので、秋に改めて確認すると『ほんまだったんか』と驚かれました(笑)。その後、親と挨拶に行って、次の年の2月にもう一度体験をさせてもらって。やっぱり楽しいな、と思って移住を決めました」。

2015年4月、高校卒業と同時に美波町へ移住し、町内の水産会社に就職。定置網漁から直営飲食店での勤務まで幅広く携わり、結婚を機に退職しました。

夫も、美波町阿部(あぶ)の三代目漁師。現在は家族で「角地水産」を営み、イセエビ漁や採藻漁(海藻をとる漁)を行っています。

「アワビやサザエをとる海女漁ができるのは、毎年夏の約3カ月間。会社員時代は仕事が忙しく、移住前に想像していたより海に潜る機会が少なくて、ギャップを感じていた部分がありました。今の働き方になってからは、家業の一環として海女漁に行けるように。自営業は時間の融通が利くので、子育てとの両立もしやすいです」。

最近は育児中心の角地さんは、陸(おか)でできる網の整備などを担当。「来季からは本格的に潜れるように頑張ります!」と復帰への意欲を高めています。

美波町での約10年間を「最高の環境。来てよかったな、しかありません」と振り返ります。「コミュニケーションが好きでよく喋る方なので、人との距離の近さが心地いい。ご近所さんが『作ったから食べぇ』とおかずを分けてくれたり、裏のおっちゃんが子どものために木のおもちゃを作ってくれたり、お隣のおばあちゃんとベランダで喋りながら洗濯物を干したり。家や車も近くの知り合いに直してもらいました。人のつながりに助けられ、楽しませてもらっています」。

7歳、5歳、3歳、1歳の4人を育てる母の目線でも「めちゃくちゃいい環境だと思う」と太鼓判。「近所の人たちが子どもたちを可愛がってくれて、すごく自然に面倒を見てくれるんです。この間も、子どもが近くのスーパーに出かけてなかなか帰ってこないので、周りに聞いたら『あっちに行っとったよ』『さっきそこで見かけたよ』って足取りを教えてくれて。たくさんの目がある安心感はすごいですね」。

地域全体に見守られながら、漁港のすぐそばでのびのびと育つ子どもたち。「全員が大きくなったら、一緒に漁船に乗って網を揚げに行きたい」と角地さん。次なる夢が叶う日を楽しみに、これからも海とともに暮らしを紡いでいきます。

【おすすめスポット】
美波町を流れる「日和佐川」。川遊びにぴったりの清流で、夏場でも人が少ない穴場です。毎年、友人家族とのバーベキューを楽しんでいます!

【メッセージ、アドバイス】
生活も仕事もやりたいことを全部できていて、毎日がすごく充実しています。自分に合う場所は人それぞれ。何度も訪れたり、実際の仕事や暮らしを体験したりして、納得感を持って移住先を決めてほしいと思います。