私たちの取り巻く教育環境
誰もが進路選択の際に直面する問い、「自分は何がしたいのか?」。
しかし、その答えを見つけることは容易ではありません。親の期待や学力、通学距離などが進路選択に影響を与え、最終的に、偏差値で評価される教育環境が存在します。中高生は進学先や進路を選択する中で、自分の夢や情熱に向き合うことが難しい状況にあります。
神山まるごと高専の学生たちは、この状況にどう向き合い、なぜその道を選んだのか。その一端を知ることで、現在の中高生たちにとっての進路選択のヒントや、彼らがどのような価値観や志を抱いているのかがみえてくるでしょう。
今回は、神山まるごと高専の「なおきさん」にインタビューをしました。
①どのようなことを期待して、神山まるごと高専を選んだのか?
彼は、リーダーシップを構成する要素を仕組みづくりと文化づくりの二つの能力に分類しており、まずは仕組みづくりから学びたいと考えているようです。そして仕組みづくりについて学んだ後、さらに難しい文化づくりを学ぶことに挑戦したいそうです。また、仕組みづくりにおいてリーダーの果たす役割は個人の能力を最大限に引き出すための組織体制を構築すること、文化づくりにおいてリーダーの果たす役割は企業の使命や価値観を確立し、強い信念のもとで組織を導くことだと考えているとも説明してくれました。
驚くべきことに、1年生の段階でリーダーシップに対する考えが明確であり、そのために高専を選んだとのこと。彼のような学生がどのようにして、自らの志を見つけ、神山まるごと高専を選ぶようになったのでしょうか。
②そのような期待をもつようになった経緯は?
彼はゲーム制作が好きで、特に人の五感を拡張した仮想空間を作りたいという夢を抱いていました。しかし、一人ではゲームを作り上げることは難しく、YouTubeを通じて多くの才能ある人々に触れた経験がありました。この経験から彼は「自分一人ではできないことも、仲間と協力し、自身がリーダーシップを発揮すれば実現できるのではないか」と気づいたそうです。エンジニアリングとリーダーシップに焦点を当て、そのスキルを身につけるために神山まるごと高専を選んだようでした。
彼のように好きなことから夢を見つけ、YouTubeを通し多様な世界に触れたことで、挑戦への手段を考え、学ぶ場所を選ぶ。その行動力には尊敬の念を抱かざるを得ません。
③今回、インタビューをした感想
徳島県で大学に通い、自身も起業した学生として、「大きな夢をもって挑戦する学生が全国から集う」ことは、同志が集まったようで嬉しく感じました。
同時に、彼らが挑戦できる環境づくりを県で進めないといけないと思いました。
徳島県に拘る必要はないとはいえ、私自身、若者版"ダボス会議" One Young World(ワン ヤング ワールド)に日本代表として参加をして、Think Global Act Local(Global×Local)の重要性を痛感しました。
成長する機会と場所を県内で与えることで、徳島県で学び、徳島県で育ち、世界へ羽ばたき、いずれは徳島県に還元するという好循環が生まれていくことを期待します。
社会課題を解決するアクションを、彼らと一緒に起こしていきたいと思います。