ワカモノが見る徳島

AWAIRO

大切なことは続いていくことと、繋いでいくこと『Watanabe’s』

2020.03.24

若者回帰アンバサダーのさくらっこです。

わたしは上板町で染料の藍作から染色、藍製品の製作までを一貫して行う
『Watanabe’s(ワタナベズ)』を訪問しました。


(Instagramより引用しました)

工房は畑が広がる一角に設けられており、光が入る広々とした空間で藍色の生地が気持ちよく映えます。

私は創設者の渡邊健太さんにお話を伺うことができました。

地域の人と続いていく文化を作る

とにかく藍染が好きだと言う渡邊さんは
「伝統文化は守るだけでなく、続いていかないといけない」と語ってくれました。

美しい色はもちろん、機能的で抗菌効果もあるなど藍染は魅力的です。

しかし、それが伝統文化という硬いカテゴリーにあることによって、
どうしても私たちには手が出せない遠い存在のような気がしてしまいませんか?

渡邊さんはそんな藍染を、普段着に使われていた江戸時代があったように、
現代でも日常使いできるアイテムのデザインに落とし込もうと考えています。

これまで藍染に触れる機会のなかった人にも身に着けてもらうことで、
本来の魅力を知ってもらおうとしています。

渡邊さんは、藍染工房『BUAISOU(ぶあいそう)』設立時より畑から藍の色を作ることにこだわっていました。

独立後は、周囲で飼育される金時豚の堆肥を有効活用できないか考えました。

時間をかけて研究した結果、畑に撒くことで藍やブロッコリーなどの収穫量が2倍になったそうです!

私は、地域まるごと幸せになれたと思いました。

しかし、渡邊さんが考えていたのはそれだけではなく
「面積当たりの収穫量が増えることで、人手が少なくても藍作を始めやすくなる。」ということ。

「参入したい人が始めやすい土台を作ること」も意識する姿勢に、背筋が伸びる思いがしました。

Watanabe’sの藍色

また、こだわった土で育てた『Watanabe’s』の藍色は、彩度が高く、透明感があり、衣類を染色するにも向いているのだとか。これまで染師が嫌がることが多かった、毛羽立ったコーデュロイなども、透明感のある『Watanabe’s』の藍だと光と相性が良く、表情を何通りも見せてくれるそう。自身の藍色の特徴を活かせる素材選び1つでも奥が深いです。


(HPより引用しました)

モノづくりには、とにかく「人」

そしてお話の中で何度も出てきたのは、「周りの人に助けられた」という言葉。

糸を作るのも、畑も、製品をデザインするのも、全て1人ではなく助け合いながら行うそうです。

それぞれの分野のこだわりや知識を、混ぜ合わせながらより良いものを作る。

これまで当たり前だった「依頼」のものづくりでは生まれなかった、「想像よりも良いもの」が生まれることも。

 

また、「工房のスタッフにも個人個人にファンがつくように成長してもらいたい」と、
嬉しそうに話してくれる渡邊さんや職人さんたちを見ていると、
藍染を文化として遠くに感じていることがとても勿体無いことのように感じました。

私もお気に入りのものを、こだわりの藍色に染めてもらって身に着けたいです。

取材に協力していただいた工房の皆様ありがとうございました!

投稿者:さくらっこ

1996年生まれ、徳島生まれ徳島育ちです。
徳島大学卒業。スウェーデンに1年間留学していました。音楽とアートと旅と本に興味があります。写真は瀬戸内男木島にて。徳島の魅力発見を、わたし自身も楽しみながらできればいいなと思っています!

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