はじめに
こんにちは、とくしま若者回帰アンバサダーのかずまです。今回は、南部エリアで実施された1泊2日のツアーに参加し、「食」と「地域」をテーマにした学びや交流を体験してきました。本記事では、その中でも特に印象に残ったプログラムの内容や、現地で感じたリアルな魅力について報告します。
「食」を起点に広がる学び
ツアー初日は、「青少年講座」に参加しました。本講座では、「食にまつわる学びの世界」をテーマに、4つの団体が登壇し、それぞれの活動について紹介がありました。
まず印象的だったのは、同じ「食」をテーマにしながらも、その活用方法や目的が大きく異なっていた点です。
たとえば、NPO法人ひとつむぎは、牟岐町における新たな教育機会の創出を目的に、食品ロス問題や郷土料理の復元といった取り組みを通じて、地域とのつながりや主体性の育成にアプローチしています。一方で、学生団体eurekaが手がけるLuaでは、「学生の挑戦の場」を創出するために、カフェ運営という形で「地域貢献 × 食 × 好き」を実現しています。
また、Moonlitは医療・栄養系の学生が中心となり、健康的なスイーツの提供や病院内カフェの運営を通じて、自分たちの「やりたい」を実現している点が特徴的でした。さらに、うみのこてらすは、地域の居場所づくりや交流の場として食を活用し、「全員が自分らしい人生を送れる社会」の実現を目指しています。

その後のクロストークでは、登壇者それぞれが「なぜ食を選んだのか」「食に関わることでどのような変化があったのか」といったテーマについて語られました。ここで特に印象に残ったのは、「食」が単なる手段にとどまらず、学びの入り口や挑戦のきっかけ、さらにはコミュニティへの参加ハードルを下げる役割を果たしているという点です。

続くグループトークでは、「食とは何か」というテーマについて参加者同士で議論を行いました。その中で強く感じたのは、食は単に栄養を摂取する行為ではなく、人と人とをつなぐ重要な媒介であるということです。食卓を囲む時間そのものが、安心感や幸福感を生み出し、それがコミュニティの形成にもつながっているという視点は非常に印象的でした。
今回の講座を通じて、「食」という身近な存在が持つ可能性の広さを改めて実感しました。今後のアンバサダー活動においても、非日常的な体験の中にこうした日常的な要素を取り入れることで、より自然に徳島の魅力を発信できるのではないかと感じています。

自然に包まれるまち・牟岐町での宿泊
講座終了後は、アンバサダーメンバーで牟岐町へ移動し、宿泊しました。
実際に訪れてみて感じたのは、牟岐町が持つ自然環境の豊かさです。海と山がすぐ近くにあり、さらに夜には満天の星空が広がるという、都市部ではなかなか味わうことのできない環境が整っています。短い滞在ではありましたが、その魅力の一端を十分に感じることができました。
夕食では地元の海鮮をいただきましたが、どれも非常に美味しく、地域の食資源の豊かさも強く印象に残っています。
多様な主体が交わる交流の場
翌日の午前中には、牟岐町で活動する方々や県外から訪れた団体との交流会が行われました。本記事では詳細は割愛しますが、東京の学生団体COAs、とくしま若者回帰アンバサダー、NPO法人ひとつむぎ、NPO法人牟岐キャリアサポートが集まり、それぞれの活動や想いについて共有し合いました。
立場や活動領域の異なる人々が一堂に会し、率直に意見交換を行う場は非常に刺激的であり、新たな視点を得る貴重な機会となりました。
交流会についても、別記事でまとめてありますので、ぜひご覧ください。

スタディツアーで体感した牟岐町の山・動物・食
2日目の午後は、「むぎ食環ベーススタディツアー」に参加し、牟岐の自然環境と人の暮らしの関係について、座学・フィールドワーク・食体験を通して一体的に学びました。

まず座学では、害獣による被害の現状について具体的な事例をもとに理解を深めました。動物の足跡や被害の写真を用いながら、それぞれの動物の特徴や被害の実態、さらには対策について学ぶことができました。特に近年はシカの増加が顕著であるとのことで、角の形状による見分け方など、実践的な知識にも触れることができました。
その後のフィールドワークでは、実際に町を歩きながら足跡や糞などの痕跡を観察しました。座学で得た知識が現地の環境と結びつくことで、「この場所に動物が存在している」という実感が生まれ、理解が一層深まりました。
講師を務めてくださった猟師の井上さんからは、実際の狩猟に関する具体的なお話も伺いました。「すぐ近くで何十キロもあるイノシシを捕獲した」といったエピソードは非常に臨場感があり、都市部では得難い学びでした。また、獣道を実際に確認しながら狩猟の思考プロセスを学び、罠の設置体験も行うことで、より実践的な理解につながりました。

さらに、最後にはジビエの試食も行いました。シカ肉は脂が少なくあっさりとしており食べやすく、イノシシ肉はジューシーで食べ応えがあるなど、それぞれ異なる特徴を持っていました。
加えて印象的だったのは、肉の扱いに関する知識です。一般的なイメージとは異なり、捕獲直後ではなく一定期間置くことで肉が柔らかくなり、より美味しくなるという話は非常に興味深く、「食」の背景にあるプロセスへの理解も深まりました。
これら一連の体験を通じて、自然環境・人の営み・食が密接に結びついていることを実感することができました。

アンバサダーの感想
今回の南部ツアーを通じて、多くのアンバサダーが共通して感じていたのは、「現地に足を運ぶことでしか得られないリアルな学び」と「人との距離の近さ」でした。例えば、海がすごく綺麗になっているように見えるけど、それは海中の藻などが少なくなったからというお話を聞きました。このように、一見ポジティブに見える海の環境変化にも、実は栄養が失われているという課題があるなど、表面的な情報だけでは気づけない地域の実情に触れられたことは大きな収穫でした。
また、徳島で活動するNPOや地域の方々との出会いを通じて、多様な取り組みや人の存在を知り、視野が広がったという声もありました。さらに、狩猟体験やジビエの試食といった実践的なプログラムを通じて、地域の暮らしそのものが観光資源になり得るという気づきも得られました。こうした体験は、単なる観光ではなく、「その土地に生きる人の生活」に触れることの価値を再認識する機会となり、今後の地域発信や関わり方を考える上で重要な示唆を与えてくれました。
おわりに
今回の南部ツアーでは、「食」という身近なテーマを通じて、地域の文化や自然、そして人とのつながりについて多角的に学ぶことができました。
講座での学び、牟岐町での滞在、そしてスタディツアーでの体験が相互に結びつくことで、理解が段階的に深まっていく構成となっており、非常に満足度の高いプログラムでした。
今後は、こうした体験をどのように発信し、より多くの人に徳島の魅力を届けていくかが重要になります。今回得た学びを活かしながら、アンバサダーとしての活動に引き続き取り組んでいきたいと思います。
