阿南市地域おこし協力隊に2023年4月から着任している関 正秀さん(奈良県桜井市出身)にお話を伺いました!(2026年1月取材)

Q1協力隊になる前は何をしていましたか?
大阪の大学を卒業後、摂津市役所に入庁し、十年間勤務しました。
Q2なぜ阿南市の地域おこし協力隊になったのですか?
夫婦ともに大阪で働いていましたが、妻が挑戦したかった仕事に思い切って応募し、採用が決まったことをきっかけに、一緒に徳島県へ移住することになりました。もともと「五十代になったら農業をしてみたい」という思いがあり、移住が決まってからは農業ができる場所を探し始めました。役所に相談するなど情報収集を重ねる中で、制度や条件など分からないことが多く、思っていた以上に農業を始めるハードルの高さを感じました。そんなときに出会ったのが、NPO法人加茂谷元気なまちづくり会です。大阪で開かれた移住フェアで話を聞き、その後阿南市を訪れて地域を案内してもらううちに、地域おこし協力隊という選択肢を勧められました。農業だけでなく、関心のあったまちづくりにも挑戦できることに魅力を感じ、応募しました。
Q3実際に阿南市に移住して暮らしてみていかがですか?
実際に暮らしてみて感じたのは、地域の方々のあたたかさです。思わず「何か裏があるのでは?」と冗談を言ってしまうほど、皆さん面倒見が本当に良くて驚きました。特に阿南市の中でも活動の中心地である加茂谷地区では人と人との距離が近く、困りごとがあればすぐに動いてくれる方ばかりです。ひとりに相談すると、そこから次々とつながりが広がっていきます。移住者を自然に受け入れてくれる風土があり、安心して新しいことに挑戦できる場所だと感じています。
Q4どんな活動をしていますか?
活動は大きく三つあります。ハウスすだちの栽培、多世代交流拠点の設立、農泊事業の推進です。農業では、地元農家の方に教わりながらハウスすだちの栽培に取り組んでいます。加茂谷地区ではチンゲン菜栽培が新規就農者に勧められていますが、他の活動との両立を考え、作業時期が分散するすだちを選びました。「半農半X」という形で、農業と地域づくりの両立を目指しています。また、地域の方々とワークショップを行い、地域の課題を洗い出しました。そこで見えてきたのが、多世代が気軽に集える場の必要性です。子どもが遊び、大人も交流できる拠点として、吉井小学校の前に多世代交流拠点「かも宅」を整備しました。さらに農泊事業にも着手しました。地域住民を対象に研修を行い、これから本格的に動き出す段階です。
<関さんが育てるハウスすだち>
<多世代交流拠点「かも宅」>
Q5活動中に大切にしていることは何ですか?
自分もこの町で暮らしていく一人として、「この地域にとって持続可能な仕組みをつくること」を常に意識するようにしています。そのために、できるだけ多くの方の話を聞き、地域の状況や課題を丁寧に拾い上げることを心がけています。そして、その課題が自分自身のこれからの暮らしとどう重なるのかを考えながら、本当に必要なことは何か、どのような方法を選ぶべきかを模索しています。
Q6これからやっていきたいことは何ですか?
今後は、まだ本格化できていない農泊事業に力を入れていきたいと考えています。まずは修学旅行生の受け入れを目標に、地域の農業体験や阿南市での暮らしを組み込んだツアーづくりに挑戦したいです。将来的には、地域の魅力をつなぎ合わせて発信する旅行会社のような役割も担えたらと構想しています。一方で、個人的には四歳の子どもと一緒に過ごす時間も大切にしたいです。仕事と暮らしが地続きにあるこの地域だからこそ、家族との時間を大事にしながら、自分らしい働き方を模索していきたいと考えています。
Q7徳島県の魅力は何だと思いますか?
私にとって徳島県の魅力は自然体の自分でいられるところです。大阪で働いていた頃はどこか気を張って暮らしていましたが、ここでは肩ひじを張らず、日々を丁寧に過ごすことができています。さらに、徳島は挑戦に前向きな人が多いと感じます。農家が限られた土地でどう収益を上げるかを真剣に考え、試行錯誤を重ねる姿勢や、仕事でもまちづくりでも研究熱心な人が多いこと、助け合う風土が根付いているところも素敵だなと思います。

<関さんが阿南市(加茂谷地区)で一番好きな風景 那賀川にかかる加茂谷中央橋>