移住者インタビュー

Interview

地域おこし協力隊三好市

とくしま地域おこし協力隊【三好市 井上さん】

三好市地域おこし協力隊を2019年3月に退任した井上琢斗さん(徳島県徳島市出身)にお話を伺いました!(2024年10月取材)

Q1協力隊になる前は何をしていましたか?

大学と大学院で感染症を引き起こす菌の研究をしていました。大学院の途中、1年間ほど休学してカンボジアで医療支援をする日本のNGOにインターンシップとして参加していました。カンボジアでは国立病院内で院内感染を予防するための物資の支援や、医療スタッフ向けの教育支援などをしていました。

Q2なぜ徳島県の地域おこし協力隊になったのですか?

カンボジアへ行くために応募した奨学金の研修に参加した際、独特な経験をしてきた人違に出会い、置かれた環境で人は差が生まれるのではなく、周りにあるものをどううまく使いこなして自分のものにしていくかだと感じ、将来ずっと医療に携わるよりも地域の持つユニークな資産や資源をうまく使いこなせる人を育成したいという気持ちになりました。そんなことを考えながら大学院に戻ってきて過ごすうちに地蜮おこし協力隊の制度を知り、この制度なら理想の人材育成を試行錯誤しながら構築できるのではないかと思い地域おこし協力隊になることを決めました。だから、特別にここがいいという場所はなく、牟岐町や神山町など何力所か候補に入っていました。その中で三好市は地域としておもしろい文化や自然が残っていて、さらに聞きに行った時の担当者の方がとても親切だったので応募しました。

Q3実際に三好市に移住して暮らしてみていかがですか?

三好市は地域の事業者が元気で、住民も自ら新しい何かをしようという気概に満ちた人が多いように思います。町のコンパクトさとその人たちのパッションがうまく調和して、新しい動きが活発に起きていて、お祭りが常におきているようで面白いです。

Q4現役の時はどんな活動をしていましたか?

三好市は祖谷の秘境があるように自然資本に恵まれ古い伝統文化が形を変えずに残っています。現役中はそんな地域の面白い場所がチャレンジの場所にコーディネートできればもっと面白くなるのではと思い、いろんな仮説を立てどんな形の学習プログラムをつくるか試行錯誤しました。

Q5活動中大切にしていたことはありますか?

何にでも興味を持って行動してみて、共通言語や話題を持つことを大切にしていました。例えば、伝統農業を見様見真似でやってみて、その中で分からないことや失敗したことを地域の人に何度も何度も質問して関係を築いていきました。

Q6退任後、現在はどんな活動をしていますか?

現役時代に様々な学習プログラムをやってみましたが、お客様は満足するけれど来てすぐ帰るので点の関係性になってしまい地域側の負担も多く疲弊してしまって持続的ではないと感じました。そのため、まずは受け入れる場所を用意しようと2019年に「古民家グランピングMATOBA」をオープンしました。しかし、コロナと同時ス夕ー卜だったため緊急事態宣言もありスター卜してしばらくは経営が大変でした。今はゲストハウスから貸切り宿に体系を変え順調に運営しています。
また、池田高校で行われる探究学習の非常勤講師も現役時代から引き続きしていますが、学校の時間だけでは足りない、民間で自由に伴走支援をしたいと思い2023年4月に自主探究学習塾ティールを開校しました。この学習は「AI教材を使った学習」と「探究プログラム」の2本軸なのが特徴です。この学習塾を開校する前には、コロナ禍で学生が自主学習する場所がなくなったこともあり、無料の自習室をつくりそこでイベントを重ね地域にどんな需要があるのかを探りました。

<自立探究学習塾ティール>

 

Q7これからやっていきたいことは何ですか?

今やっているそれぞれのビジネスを育てれば育てるほど選択肢が増え、掛け合わさって新しいものがどんどん生まれていきます。宿事業に関しては一般観光客向けに德島、四国の風土を感じられる場所を増やし、塾事業に関してはいろんな学びに対してアプローチできるような場所づくりをしていきたいです。

Q8徳島県の魅力は何だと思いますか?

水資源に恵まれ世界有数のアウトドアの聖地であることがとても魅力と思います。この素晴らしい土地から生まれた文化や歷史、コミュニティは独自性があり、最高の学習環境です。

<井上さんが三好市で一番好きな風景 落合集落から見た「栗枝渡集落」>