移住者インタビュー

Interview

Iターン仕事サービス・飲食美馬市

“日本一の清流”まで徒歩5分。二段階移住で叶えた理想の暮らし

飲食店経営(白草社)
乾 あきさん

取材月:2024年9月

徳島県の北西部に位置する美馬市穴吹町。乾あきさんが、夫の乾亮太さんとともに営むスリランカカレー店「 白草社」は、徳島県を東西に流れる吉野川と、“日本一の清流”と称される穴吹川の合流点のほど近くにあります。

大阪府出身のあきさん。徳島に来るまでは、宝飾関係の企業でECサイトの運営などに携わっていましたが、あまりの激務に体を壊して入院。「 いつまでこんな働き方を続けるんだろう……?」と悩んでいました。そんなとき、当時交際していた亮太さんが「 地方で暮らしてみたい」と徳島市の企業に転職することに。

徳島は、亮太さんの両親の故郷。「 大阪にすぐに帰れる距離だし、とりあえずお試しで住んでみるのはどうかな、と。だから移住というより引っ越しの感覚で」、2人での徳島行きを決めました。

徳島市内で会社員として働きはじめた2人。しかし、地方へ来たにもかかわらず忙しない日々が続くことや、市街地で暮らしていることへの違和感が募るばかり。3年ほど経ったころに 「せっかくなら2人で何かしたいよね」と、独立開業へと動きだしました。

空き家バンクや移住者向けの起業支援の制度が整っていたこと、そしてきれいな川があったことから、美馬市で物件探しを開始。以前はお好み焼き店だったという店舗つき住宅と出会い、2018年に 白草社」をオープンしました。

徳島市内に住んでいた頃から、休日のたびに県内各地の川や山を訪れていた2人。「 美馬市にいると、気軽に行ける距離に自然があるのがすごく嬉しい」と微笑みます。 お店から穴吹川までは徒歩5分ほど。身一つでフラッと歩いていって、泳いだり、仰向けに寝そべってぼーっとしたり、河原でビールを飲んだり。日常的に川遊びを楽しんでいます」。西日本第2の高峰、剣山の登り口までも車で約1時間30分。ハイキング感覚で何度も登頂しているといいます。

美馬市には国道や高速道路インターチェンジがあり、香川県高松市まで車で約50分、愛媛県や高知県、岡山県の中心部まで約2時間と、他県へのアクセスも良好。地元の食材を活かした唯一無二のカレーを求めて、県外からも多くのお客が訪れます。 「お店を無理なく長く続けることが一番の目標」とあきさん。 「何十年後に『ずっとここにあるよね』と言われるような存在でありたい。それが結果的にまちの存続にも繋がるんじゃないかな、と思っています」。

【おすすめスポット】
東みよし町にある老舗の居酒屋さん 大黒屋」。鶏料理が美味しくて、なかでも半身の鶏肉を素揚げした「 からあげ」がイチオシです。同じメニューを変わらず提供しつづけて、地域で長年愛される姿は、私たち白草社が目指すところでもあります。

【メッセージ、アドバイス】
都会と比べて娯楽や消費の誘惑が少ないぶん、自分が本当に好きなこと、ものを見つけられると思います。移住したからといって、絶対に定住しなきゃいけないわけではありません。まずは気軽に暮らしながら、これまでの都会生活をゆっくり振り返って、どちらのスタイルが自分に合っているかを考えてみてはいかがでしょうか?