移住者インタビュー

Interview

仕事子育て起業松茂町

4人の子育てと独立開業。両立もステップアップも、徳島だからこそ叶えられました

起業・福祉(quattro)
四宮 明子さん

取材:2024年10月

徳島県北東部の松茂町を拠点に、介護福祉・障がい福祉事業を手がける株式会社quattro。四宮さんは、同社の役員と、事業所の一つである「 椛居宅介護支援事業所」の管理者、そして4人の子どもの母として、忙しくも充実した日々を送っています。

東京都出身。ケアマネジャーとして、関東圏のデイサービスや訪問介護の現場で奔走していました。2009年に徳島県出身の夫と結婚し、長女を出産。その後は、薬局でのパート勤務と個人でのケアマネジャー業務を並行して行っていました。「 長女が小学校に上がるまでに、今後暮らしていく拠点を決めようとしていました。そんなときに双子の妊娠がわかって。東京の賃貸で、5人暮らしで十分な広さを確保できるような物件は家賃がかなり高いし、そもそも、これから関東で子育てをするのはかなり厳しいだろうな、と感じたんです」。

その矢先、夫の両親が新居へ移るために、それまで住んでいた一軒家が空くという知らせが。 「住む場所があるのなら今行こうか」と、2012年に家族で徳島に移り住みました。

移住後は、毎日のように松茂町地域子育て支援センターへ通ったそう。「 大手企業の工場や自衛隊の基地があるため、転勤族の夫に帯同してくる県外出身のママが多い松茂町。似た境遇の方もたくさんいたので、みんなで喋ったりイベントを企画したりして、そこで最初のつながりができましたね」。

その後、2013年の11月に第4子を出産。「 子どもが4人いても育てられるのが徳島」と実感しています。「 都会に比べて土地にゆとりがあるぶん、公園や施設が広くて過ごしやすい。特にスーパー! 一つの店舗で欲しいものが揃うから何軒も周らなくていいし、通路が広いからベビーカーを押しながらでもゆったり買い物ができてありがたかったです」。

移住当初は、病院系列の施設でケアマネジャーとして勤めていましたが、育児との両立に悩み独立を決意。2015年、合同会社クワトロ椛居宅介護支援事業所を立ち上げました。徳島の福祉業界に単身で飛びこんだ四宮さん。初めは「異色の存在だった」といいます。

翌年2016年には、夫の俊生さんを代表に加えた株式会社quattroとして事業を加速。夫婦二人三脚で地道に実績を重ね、現在ではデイサービスや放課後等デイサービスなど、県内に8つの事業所を構えるまでに成長しました。

さらに個人でも、ケアマネジャーに向けた研修会の講師を務めたり、徳島県介護支援専門員協会の理事に就任したりと、活躍の場を広げています。 「今では“異色”がプラスに働いて、『ひと味違うよね』と評価していただけることも。地方だからこそ叶えられたステップアップだと思っています」。

就労支援事業所の立ち上げなど、さらなる事業拡大を計画中。プライベートでは、徳島県南部で開かれる「 千羽海崖トレイルランニングレース」への出場を目指して、週1回のランニングに励んでいます。公私ともに「 一歩外に踏み出すことで切り拓いてきた」という四宮さん。溢れんばかりのバイタリティで、これからも走りつづけます。

【おすすめスポット】
創作料理が得意な「 一休庵たかた」や、魚が絶品の「 居酒屋ひの木」など、松茂町には美味しい居酒屋さんがたくさん。家族みんなで訪れています。

【メッセージ、アドバイス】
家や会社から外に出てみると、新たな出会いや発見があるはず。外で得られたつながりや経験が、のちのち支えや癒しとなって助けてくれると思います!