移住者インタビュー

Interview

仕事子育て起業神山町

地方でゆとりを持って輝ける、フルリモートの働き方を発信したい

起業家(AYAクリエイティブ)
松坂 智美さん

取材月:2024年9月

東京の人材教育コンサルティング会社で、企画や営業、社長秘書などの業務に携わってきた松坂さん。「 2人の子どもと向き合う時間を作りたい」と退職し、2021年に「 AYAクリエイティブ」を設立。個人のライフストーリーをウェブ上に記録する“自分史「 家族史ウェブサイト」”の制作サービスを始めました。
そんな中、夫の孝紀さんが、当時設立準備中だった「 神山まるごと高専」の事務局長に就任することに。 ちょうどコロナ禍で外出できない状況や、リモートワークを経験して、東京にいる意味をあまり感じられなくなっていた時期。「神山に行くかもしれない、という話を夫から聞いたときに、『じゃあ家族みんなで行こうよ!』と迷わず移住を決めました」。

 

まずは、東京 有楽町の東京交通会館内にある移住相談窓口「 ふるさと回帰センター」で、徳島移住にまつわる情報を収集。住居は、NPO法人グリーンバレーが運営する 「神山町移住支援センター」に空き家を紹介してもらいました。国道沿いに建つ築約50年の一軒家、4LDKで家賃は月3万円。神山町の空き家改修事業補助金制度を活用し、水回りや窓を改修して生活をスタートしました。

神山での生活を「 豊かな自然の中で暮らすことで、心にゆとりが持てるようになりました」と振り返る松坂さん。日課は毎朝1時間のウォーキング。ビジネスや金融にまつわるラジオで情報をインプットをしながら自然に身を置く大切なひとときです。

唯一、戸惑ったというのがごみの出し方。「 神山町は、生ごみを捨てる場合、週1回決まった場所に持っていく必要があるんです。今は、町の補助を受けて生ごみ処理機を購入して、乾燥させたごみを庭の畑に撒いています。少し手間はかかるけれど、人間としてやるべきことをやっているな、という実感がありますね。自分たちが出しているごみの量を意識するようになって、環境への意識も高まりました」。

仕事は、自身の事業に加えて、徳島県内の女性起業家が集まる「 花咲ねーさん企業組合」の代表理事を務めるなど、東京で得た知識や経験をフルに活かして多方面で活躍しています。
「徳島県は起業家や経営者のコミュニティが充実していて、活躍のフィールドが整っているのがありがたいところ。都会に比べてプレイヤーの数が少ないので、どんな交流会やイベントに参加しても知り合いがいるのが心強いし、働くうえでの安心感にも繋がっています」。

自身のビジョンとして「 在宅ママの高時給化」を掲げる松坂さん。 「場所に縛られないフルリモートの働き方を身につけると、自分にとって暮らしやすい環境を選べて、人生の質が向上することを、身をもって感じています。働き方や暮らし方に悩んでいる全国のママに向けて、地方で理想の暮らしを叶えるためのノウハウを伝えていきたいです」。

【おすすめスポット】
神山町の元縫製工場を活用したコワーキングスペース「 神山バレー サテライトオフィス コンプレックス」。平日の日中はここで仕事をしています。全国各地からワーケーションで訪れる方も多く、利用者同士での交流も生まれています。

【メッセージ、アドバイス】
手に職があれば、住める場所の選択肢は一気に広がります。オンラインで働くことも念頭に置いて、ぜひスキルを磨いてほしいです!

【1日のスケジュール】