上勝町地域おこし協力隊に2022年6月に着任した片桐 悠さん(京都府京都市出身)にお話を伺いました!
Q1協力隊になる前は何をしていましたか?
大阪で3年、東京で1年、自動車関係の団体 で窓口業務や広報活動をしていました。
Q2なぜ上勝町の地域おこし協力隊になったのですか?
大学で環境問題、特に里山の暮らしや保全について勉強し、いつかは自然環境を守る仕事やまちづくり活動の現場に入りたいと思っていました。そんな時、大学時代のゼミの教官から上勝町で地域おこし協力隊を募集していることを紹介していただき応募しました。
Q3実際に上勝町に移住して暮らしてみていかがですか?
地方で暮らすと言えば、その土地ならではのしきたりや人付き合いで苦労することも多いと聞きますが、上勝町は先輩移住者のおかげでそういったしがらみを感じることは少なく、非常に過ごしやすいです。京都で生まれ育ち、自身の周りから田畑が消えていくことに寂しさを感じていた分、自然に囲まれた今の生活には満足しています。ただ、花粉症には年中悩んでいますが…(笑)
Q4どんな活動をしていますか?
棚田に関するイベントの企画・運営や、棚田オーナー制度の事務局、山犬嶽の近くの「上樫原会堂」で山のカフェ2代目店長(自称)として不定期開催のカフェイベント等を実施しています。また、上勝町の「樫原の棚田」の棚田米を使ったノンカフェイン飲料「玄米デカフェ」の商品化も最近おこないました。これは活動の一環として、東京ビックサイトで開催された「エコプロ2023」に出展した際、玄米デカフェを作っているメーカーの方から、四国のお米での製造はおこなっていないことを教えていただいたことがきっかけです。四国で初の商品になれば上勝町の棚田をPRするチャンスになると考え、普段からお世話になっている農家の松下さんに相談しました。松下さんのお米は過去に皇室へ献上されたこともある美味しいお米です。そんなお米がコロナ禍で取引がキャンセルになったことで手元にたくさん残っていると教えていただき、玄米を焙煎してつくる玄米デカフェなら古米でも問題なく使えることから、早速試作品をつくることに決めました。そして、3月に月ヶ谷温泉(上勝町)で試飲会を実施し、概ね好意的な意見をいただいたことから商品化を決め、現在は月ヶ谷温泉や小松島市のルピアのインフォメーションセンターなどで販売しています。古米になるとどうしても一般消費は難しくなりますが、焙煎加工してしまえば、鮮度に関係なくお米の風味を味わっていただけます。このように、古くなったお米を加工し新たな商品として無駄なく使う取り組みは、日本の自治体で初のゼロ・ウェイスト宣言をおこない、SDGs未来都市に選ばれている上勝町の方針にも合致すると考えています。コーヒーが苦手な方や、カフェインが接種できない方でも楽しんでいただけますので、ぜひ一度飲んでみてください。
※玄米デカフェ
Q5活動中意識していることはありますか?
周りの様子を見ながら活動を進めることを意識しています。上勝町の先輩協力隊の方から、あまりがっつき過ぎると、周りに警戒されると聞いたので、自身にできることを粛々と進めながら少しずつ活動を広げるようにしてきました。それと、地域の出役(集落仕事)には、声をかけてもらえたのなら、優先的に参加するようにしています。
Q6これからやっていきたいことは何ですか?
来年5月末で協力隊の任期はきれますが、その後も上勝町で暮らしていきたいので、今後の収入源の道筋をつけたいと考えています。現在、徳島県内に初の民間財団を立ち上げるプロジェクトに参加させていただいています。協力隊活動で学んだ知識や経験を活かしながら、上勝町や徳島県の皆さんに恩返しをしつつ、自身の生活も充実させていきたいと考えています。
Q7徳島県の魅力は何だと思いますか?
徳島県民は「徳島には何もない」とよく言われますが、小さな魅力はたくさんあると感じています。それは観光スポットや特産品だけでなく、人も魅力の1つかなと思います。そういった魅力に日々、触れ合えるからこそ徳島県で暮らすのは良いなと感じています。
※片桐さんが上勝町で一番好きな風景